3Dプリンター&Fusion360 シロカ食器洗い乾燥機用漏斗

最近購入した3Dプリンターで身近なものを設計して、作っていきたいと思います。

 

今回作ったものは、以前ブログに書いたシロカ食器洗い乾燥機用の漏斗です。

こちらの食洗機は本体上部から給水ができるのですが、給水口が浅く、水を入れると水が跳ねてしまっていました。

下の写真は完成品になります。これで勢いよく水を入れても問題なく入ってくれます。

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では、CADの作図から説明していきたいと思います。
使用しているCADはFusion360です。私自身Fusion360が初めて使用するCADだったのですが、操作方法も分かりやすく手軽に使えています。

 

1.シロカ給水口の設計
今回のように既存の部品に組み合わせるパーツをつくる際は、組み合わせる方の部品も作ってから作成したほうがクリアランスなども確認しやすいです。

 

1.1スケッチ作成
まずはXZ平面にスケッチを描いていきます。
各寸法はノギスで測った値ですが、今回はそんなに厳密でなくてよいのでサクサク書いていきます。

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1.2押し出し
続いて押し出しで形をつくっていきます。
実物はお椀状にへこんでいるのでいますが、寸法も厳密には測れなかったので今回は単純な押し出して作っています。f:id:satoshiblog:20200205204713j:plain

 

2.漏斗本体の作成
このまま漏斗を作成してもいいのですが、後々3Dプリンター等で出力する際などに簡単にできるように、新しいコンポーネントとして作成したいと思います。

 

2.1新規コンポーネント作成
ブラウザを右クリックすると新規コンポーネントという項目があるので選択します。

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すると新しいコンポーネントが追加されるので、右側の丸をクリックしてアクティブ化します。

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2.2オフセット平面作成
XZ平面にそのままスケッチしても作成できますが、編集のしやすさ等から新しい平面を上部に作成します。

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2.3漏斗の足部のスケッチ作成

2.2で作成した平面上にスケッチを描いていきます。

まずは1.1~1.2で作成したパーツをスケッチ平面に投影するため、プロジェクト/含める→プロジェクトを選択します。

続いてスケッチのタブの中にあるオフセットを使って、漏斗の足となる部品を書いていきます。

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最後に押し出しをすれば足の部分が完成です。

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 2.4 漏斗の土台パーツ作成

2.2で作成した平面上に円柱を作成して、真ん中に穴をあけて漏斗の土台部分を作成します。

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2.5 円錐部作成

XY平面上にスケッチを作成し、漏斗の円錐部分の断面を書いていきます。

特にサイズはこだわりなく適当に書いていますが、3Dプリンターで出力することを考えて角度を高めの70度で書きました。

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 Y軸を中心としてスケッチを回転させれば形になりました。

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仕上げとしてフィレットを入れていきます。

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3.プリンターで印刷
続いて3Dプリンターで印刷していきます。

設定等はほとんど初期の設定で行っているので、使用ツールだけの紹介になります。

3Dプリンター:Adventurer3

フィラメント:ABS(白)

 

出来上がりは以下のようになりました。

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かなり糸が引いていますので軽くやすりがけしました。半年以上たっていたフィラメントなので吸湿してしまったからかもしれないです。

やはりABSなので割れているのが気になります。

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底面はサポート材がついていたのでざらざらしていますが、使用には問題なさそうです。

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実際使ってみて問題はないのですが、フィレット部が割れてしまっているのと、底面があまりきれいではなく、水がたまることがあるので次回はもう少し改良したいと思います。